
魚介類は冷凍のものを買っておくと長期保存できるので何かと便利ですよね。
とくに、「冷凍マグロ」がリーズナブルに販売されていると、つい購入してしまいます。
マグロは解凍の方法で味は天と地ほどの差がでるのです!
私は、それを知らなくて食べる前にあわてて流水で解凍したり、電子レンジで解凍してしまい、マグロの色が悪くなって失敗したことがあります。
そもそも、時間のない時は確かに電子レンジで手早く解凍したくなりますよね~。
でも、電子レンジの解凍は冷凍マグロからうまみが流れてしまうので絶対に避けるべきだと、後から寿司職人さんに聞いて知りました。(・∀・)
ここでは、マグロのブロックの塩温水解凍方法と氷水解凍方法についてお伝えしますね。
尚、写真は私が作業しているものを投稿しています。

目次
冷凍マグロを購入したら鮮度落ちしない買い物袋の詰め方とは?
スーパーで冷凍マグロを購入して、自宅の冷蔵庫へ入れるまでの間に既に一部が解凍されてしまった経験はありませんか?
実は、冷凍マグロを購入したら、鮮度を落とさないように、持ち帰るときの工夫が必要なのです。
ここでは、マグロを購入した際の、氷袋の作り方と買い物袋への詰め方について説明をしますね。
鮮度を守る買い物袋への詰め方とは?氷の袋の空気を抜く。
冷凍マグロを購入したら、スーパーでビニールへ氷を入れますよね?
この時に温かい空気が入らないようにするコツがあります。
① ビニール袋に氷を入れるときは、量を控えめにする。
② 氷の袋をひねって空気を抜いて、できるだけ上で結ぶ。
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③ ②の後に、ねじりを戻して氷を押し広げて表面積を大きくする。
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POINT
サランラップでフタをしていれば、冷凍マグロの下に氷の袋を置く。
鮮度を守る買い物袋への詰め方とは?
買い物袋の詰め方にも以下の4つのポイントがあります。
- 冷凍マグロを購入する時の買い物袋の材質を、保冷バッグ、ビニール袋、もしくは発泡スチロールを用意する。(布製の買い物袋はNG)
- 冷凍マグロと氷袋は隙間をできるだけ作らないでビニール袋へ詰める。
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- 冷凍マグロを入れたビニール袋の空気を抜いて外気が入らないようにする
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- できるだけ直射日光に当てないで持ち帰る
- 帰宅後はすぐに冷蔵庫へ入れる
POINT
-
- 買い物袋の中へは、冷凍マグロ以外の買ったものを積み上げていき、冷凍マグロは一番上に置きます。
- トートバッグや買い物袋の中には、予備のビニール袋をたたんで入れておくと、冷凍マグロを購入した時には他の品物と別にできるので便利。
ビニール袋を三角に畳んでいれておきます。
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マグロのマグロは種類や部位によって解凍方法が違うの?
マグロには大きく分けて、大トロ、中トロ、赤身があり、それぞれ適した解凍方法あります。
マグロ部位 | 解凍方法 | 切るときの解凍状態 |
---|---|---|
大トロ | 温塩水 | 半解凍 |
中トロ | 温塩水 | 半解凍 |
赤身 | 温塩水か氷水 | 冷蔵庫で解凍してから切る |
要点をまとめると以下になります。
- 大トロは塩温水で解凍する。他の解凍方法だとせっかくの大トロの脂が酸化してしまう。完全解凍すると切りにくいので半解凍で切る。
- 中トロは、大トロよりも脂は少ない。見た目の変色を防ぐために塩分濃度は3%を守る。半解凍状態で切る。
- 赤身は、塩温水と氷水解凍のどちらかで解凍し、その後は冷蔵庫へうつして自然解凍してから切る。
冷凍マグロの上手な解凍方法とは?
冷凍マグロを上手に解凍する方法のポイントは以下の3点です。
- 水道水の短時間での水洗いを徹底する。
- 塩温水は37℃くらいのぬるま湯で、塩分濃度は粗塩を溶かして3%~3.7%濃度の海水程度のしょっぱさにする。
- 赤身は塩温水かマグロを-3℃から0℃の氷温で解凍する。
- 解凍したマグロを半日から1日寝かせることで、ドリップは少なく、ゆっくりとするようにする。
まず水洗いについてですが、表面に電気のこぎりで切った切りかすが付いているので、流水しながら手でなでるように表面を落としていきましょう。
あらかじめ、真っ白い切りかすがどこについているのか確認してから、素早く切りかすを流すことが大切です。
また、大トロ、中トロ、赤身での塩温水は、何度か経験を繰り返し塩温水の作り方がわかってきます。
新鮮さがそのままパックされている冷凍マグロは、温塩水で解凍すれば、とれたての鮮度をご家庭でいつでも手軽に味わうことができるのですね。
赤身の氷水解凍は、冷凍マグロの氷水解凍は、マグロを-3℃から0℃(氷温)で解凍する方法です。
この氷水解凍法はマグロのみならず、他の冷凍食品の解凍すべてに応用できます。
そして、冷蔵庫で時間をかけてたスロー解凍をしましょう。
赤身の冷凍マグロもうまみをたっぷりと凝縮させるために、半日から1日程度冷蔵庫で寝かせてください。
ドリップとは何のこと?身縮みに注意!
ドリップとは、マグロから出てくる水分で、解凍するときには必ず出てきます。
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この水分は「旨み」と、赤身の成分「血液」も含まれて、マグロをおいしい味にします。
これが沢山失われると当然に味が悪くなってしまうのですね。
そして、急激にドリップが起こると身が縮みが起こってしまうのです!
身が縮みとは、食べたときに固くてゴワゴワした食感になり、旨味がすくなくなってしまいまう状態のことですが、解凍時にそれを見分けるのは、プロでないと難しいそうですよ。
また、塩温水や氷水解凍をしてからもドリップは進みますので、更に冷蔵庫で自然解凍というステップを踏むことで良い状態を保てます。
やってはいけない解凍とはどんなもの?電子レンジはNG?
やってはいけない解凍は、電子レンジ解凍と、流水解凍と常温解凍です。
電子レンジで解凍すると、解凍部位がまだらになり、灰色に変色しドリップ流水してしまうのでNG。
また、流水解凍や常温解凍すると、解凍しすぎてしまって、身の締りのなくなり食感が悪くなってしまうのです。

冷凍マグロのブロック解凍方法とは?塩温水解凍と氷水解凍する。
マグロの柵とは、刺身に引ける状態にしたブロック状態のことを指します。
塩温水を行いうメリットは以下の4つがあげられます。
- 短時間作業でできる。
- ドリップ流水がすくなく旨味成分流れ出ない。
- マグロの変色防止。
- 季節による温度差で、解凍にムラがでない。
塩温水での解凍方法は、昔から利用されている解凍方法で、短時間でできて、色もちがよくドリップ流水を防ぐ効果があるんです。
何度も経験を積むと、塩水の濃度や寝かせる時間がわかってきます。
塩温水は37℃くらいのぬるま湯なので、腕の内側の皮膚にぬるま湯をかけると人の体温よりちょっと高いくらいの感覚ですね。
塩分濃度は粗塩を溶かして3%~3.7%濃度の海水程度のしょっぱさにすので、塩の濃度は3%~4%以下と覚えましょう。
時間の余裕をもってマグロを解凍することがポイントですね。
また、赤身では氷水解凍方法のやり方もあります。
ここでは、塩温水と氷水解凍方法を説明しますね。
塩温水で柵を解凍する場合(約200g~500gの柵)
塩温水は大トロ、中トロ、赤身で行ます。
塩温水解凍の準備品
- 1000ml以上の水が入るボウル
- 粗塩(なければ精製塩)をぬるま湯1000mlに対し、大さじ2杯(40g)
- キッチンペーパー
- 柵を載せるトレーかお皿
- サランラップかジップロック
塩温水解凍の手順
① 大きなボウルに粗塩水道水で塩水を作る。(塩は精製塩より、粗塩がよい。)
37℃のぬるま湯1000mlに対して、粗塩を大さじ2杯(40g)の割合で温塩水を作ります。
解凍されたマグロが少し塩っ辛いくらいが、旨味を感じやすいようですね。
ボウルの中に塩温水を作成
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② マグロを袋から取り出し、全体を見て切りかすがついていないか確認する。
③ マグロの柵についている表面の切子くずを水道水でざっとを洗い、①の温塩水にマグロを漬ける。
流水で洗い時間が長くなると、旨味成分が流れてしまうので注意しましょう。
③ ①のボウルの中の温塩水の中へ、水洗いした柵を温塩水の中に約1~2分程浸けます。
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表面が溶けて芯は、まだ凍っている(半解凍)状態を確認しましょう。
また、ブロックの厚みで、溶け具合の時間は調整します。
④ キッチンペーパーで、しっかり丁寧に水分を拭き取る。
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⑤ 柵をキッチンペーパーに巻いてトレーかお皿の上に並べ、トレーかお皿ごと軽くラップして冷蔵庫に入れる。(ジップロックを使うならラップはしなくてよい。)
POINT
食べる時間からら逆算して4~5時間前に冷蔵庫から出して、半解凍でカットできます。
ラップをするのは、冷蔵庫内でマグロが乾燥するのをふせぐためです。
逆に寝かせすぎるとマグロの色が黒くなりますので注意しましょう。
温塩水の解凍中に身が縮れたら?
あまりに新鮮な細胞は塩温水解凍中にマグロの端が縮れたり、歪むことがあります。
そうしたときには、塩温水からマグロを取り出して、水分を拭き取り、冷蔵庫でゆっくりと完全解凍しましょう。
赤身の氷水での解凍方法(150gの柵の場合)は?
柵の大きさによって解凍の時間が前後しますので、柵の様子をみながら行います。
凍ったマグロは、0℃の手前の-2℃付近で溶け始めるので、必要以上に温度をあげないようにして、マグロの細胞を傷つけないようにします。
細胞を傷つけてしまうと、ドリップとともに旨味が流れだしてしまうので注意しましょう。
氷水解凍の準備品
- トレーかお皿
- キッチンペーパー
- ボウル
- 氷と保冷剤
- サランラップ
- ジップロックかビニール袋
氷水解凍の手順
① マグロを袋から取り出し、全体を見て切りかすがついていないか確認する。
② マグロの柵についている切子くずを水道水で表面をざっと洗い流す。
短時間で素早く行わないと旨味成分までながれてしまいます。
③ キッチンペーパーで洗い流した柵の水分を丁寧に拭き取る。
④ マグロの柵を、ジップロックかビニール袋へいれてしっかり空気をぬいて真空パックのようにする。
⑤ ボールに氷水を張って、④を沈める。マグロが浮いてこないように、保冷剤で重石をするといいですね。
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保冷剤をオモリにしています。
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⑥ 1時間程度で半解凍が進むので、マグロを取り出す。(マグロの柵の量が少ないと半解凍になる時間も短いので、マグロの様子をみながら行いましょう。)
⑦ 解凍した際に出た水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
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⑧ きれいなペー パータオルでマグロを包み、乾燥しないようにラップをかけて冷蔵庫で半日から1日寝かせます。
(ジップロックへ入れるときにはラップをしなくて良い。)
↓
POINT
調理時間を考えて逆算して解凍をしましょう。
時間があれば、半日から1日寝かせた方が、赤身の身が熟成し旨味が増しますよ。
おわりに
冷凍マグロの解凍方法を説明しました。
冷凍マグロは美味しさがそのままパックされていますので、塩温水で解凍すると短時間で作業ができるので嬉しいですね。
解凍方法をマスターして、美味しいいマグロで舌鼓をうちたいものですね(*^^*)